ガッシュの技法ーわかりやすい混色の仕方ー

画像は教室のSさんの絵です。ここから仕上げですが、どこをどうしたら良いかとご質問がありました。

パステルを長くやっていた方ですが最近はガッシュ(不透明水彩)に挑戦されています。


ガッシュの魅力は色を選ぶのではなく、作りたい色を絵の具を混ぜて自由自在に作れることにあります。 
パステルは並んだ多くの色から選んでいきます。ここが違うところですね。

パステルをされている方はもともと色を選ぶことが上手だし、センスもいいですね。Sさんは淡い色調がとても綺麗。

さて、ガッシュになると混色で思った色を作るわけですが、、

この絵、教室で画像を撮っておいてもらいました。教室は結構忙しく、おひとりの方に十分なアドバイスができない時があります。

そんな時はオンライン(LINE)でやりとりしていますよ。

彼女にはお伝えしたのですが、お一人に言えることは皆さんに言えるので、ちょっとこちらに紹介します。

彼女にしては花瓶の色だけが濃すぎる。暗すぎると思いました。色味は合っています。

もちろんパステルで描いたことのないような強い絵もこれから出てくるかもしれませんが、今までの絵を見てくるとやっぱり花瓶の色がもう少し明るいほうが彼女らしいようです。

画像は部分ですが、ざっくり画像にペイントして少し明るく。。

混色は初心者🔰なので、何色をどうやって混ぜるのかわかりません。やり方など、決まってはいないのだけど今回は明るさをまず決めるため、白と黒の絵の具を混ぜてもらい、後で色味を加える方法をお勧めしてみました。

実際のアドバイスは以下のようなことです。

「混色はパステルではあまりなかったことなので最初は難しく感じますが、練習ですぐできるようになりますよ。

Sさんは色の感覚はセンスいいから♡

さて、花瓶の色ですがまず明るさをグレーで作りましょう。
白と黒少し、
良い感じの明るさのグレーができたらそれにローアンバーほんの少しとアッシュグリーンを少し足してみて。

もし何かもの足らなかったら今その絵に使っている黄色や緑などを足します。

最初は少し加えても多すぎて色が効きすぎたりします。

絵の具は色によって同じ分量でもガツンと響くものと柔らかくあまり響かないものがあります。

加えていく感覚はお料理で言うと昔ながらの塩の効いた醤油と減塩醤油のようなもので、色により効き方が違います。少しでいい色とたっぷり入れたほうがいい色があるわけです。

白と黒もその関係で半々の量を混ぜたからと言って中間の明るさのグレーにはならないのです。

強そうな色は少しずつ加えるようにしてくださいね。」

こんな感じ。

少しペイントで加筆した花瓶ですが、もっと明るくても良いように思いました。それも付け加えてアドバイス。


もうひとつ、画像には直したところがあります。
そこも、以下のようにアドバイス。

「花瓶の持ち手の部分の下側の背景、つまり机の上の色ですが、ここは影を下に下げて明るくすると花瓶が立って見えます。」

1枚目の画像と比べ、花瓶が机上に立ちました。

モチーフがそこに立っていて、周りに空気が感じられる絵にしたいですね。
モチーフの前にも後ろにも周りには空気があります。
物と物との関係を見ていくことでそれを表現できます。よく見て比べること、見落としがちなところです。

自分が好きな色を作れ、よく観察した関係を見ることができれば絵は劇的に変わります。

Sさんの絵の仕上がりが楽しみです。

今日の投稿はガッシュの簡単な混色の仕方と物の見方について紹介してみました。
どなたかのためにもなると幸いです。