昨日は肖像画…というか人物画を3点少しすすめました。
日頃の制作は対象の外見に似ているところを目指すのではなく雰囲気が似ているところを目指しています。
いくらでも似せることはできるのですが絵に元気がなくなるように思います。
人物を写実的に描いていくとなぜか人間から離れていくように思います。多分花も風景も私の場合はそうです。やりすぎると絵を描いている感動が似せることが目的の偽物になってしまうのです。つまり絵を壊す方向に行ってしまうのです。
感じをつかんで一気に描いた方が生き生きとしていてちょっと似ていなくても雰囲気は対象に近い場合が多いのです。息をしているし、何かを思っている人物画を描きたいと思っています。
ポートレートということで依頼を受けている以上できるだけ似せたいので…上に描いているような絵描きの私はただいま奮闘中です。
極端ですが、安井曾太郎先生は…(私の師をたどると安井曽太郎先生に行きつきます。)
安井先生は肖像画をたくさん描かれています。
とても似ていて、傑作であります。
ただ、肖像画を依頼したご本人が仕上がった絵を受け取った瞬間は意外と複雑だったかもしれないですね。
後になって描いてもらってよかったとご本人も家族も子孫もきっと喜ばれたと思います。その絵が後世に残るものであったことも時代が証明しています。
比べ物にはならないですが私の人物画は特徴がある部分は弱めに描いてしまいます。ばっちり100%似ているところを目指しません。雰囲気が出たらそれの方を優先したいと思います。そして描かせていただいたご家族に渡った瞬間にあら!うれしいと一番に思っていただけてそれプラス、似てる!!と思われたら成功。
今の私が思うところです。明日は変わるかもしれません。
絵描きの日記でした。
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michi (月曜日, 06 4月 2015 20:32)
人物画について先生の思うところを読ませていただき、そうそう、そのとおりと、うれしくなりました。
上手だけど、何となくわざとらしい感じがする絵はなんだかなあと思ってしまいます。作り込まれていたり、写実から離れていたりしても感動する絵もあります。
今月号の一枚の絵を拝見いたしましたが、山本先生の絵は、娘さんの自然な一瞬の表情が表現されていてとてもよかったです。他の方では、池田清明先生の母子像は眠る子どもさんの重さまで感じました。
さまざまな作品に出会えて幸せな気分です。
山本佳子 (月曜日, 06 4月 2015 21:11)
michiさま
ありがとうございます。
同じように感じてくださる方があってとてもうれしいし励みになります。
一枚の繪、見てくださりありがとうございます。
そうですね。池田先生の絵はお孫さんの重さが感じられました。お母さんの美しさにもゆったりとした落ち着いた感じが加わったように思いました。流石ですよね。
私も、山本らしい絵を描けるようにこれからも頑張ります。よろしくお願いいたします。