読書

読書 P10 油彩
読書 P10 油彩

私の絵はいろいろと様子が変わります。右画像は極端に筆の数が少ないです。

色々と意見を言ってくれる仲間もあります。

「まだまだ、そんな描き方をするには早すぎる、若いうちは描きこんだ方がいい。」

 

確かにそうです。

でも、個展や「一枚の繪」という美術月刊誌で筆数の少ないところで仕上げた絵が誰かの手元に渡ったりすることがここの所続いています。

そうするとこちらの傾向の絵も描きたいわけなので肯定されたようでうれしい気持ちがしてきます。本人だけでなくスケッチ的な描き方が好み方も意外と多いのかもしれません。

片方でそれでもここで終わってはだめできっと重ねた方がいいのでは?…という想いもあります。

 

この「読書」は今日本橋の三越本店 本館の6階美術特選画廊にて一水会の先生方と一緒の会場に展示されています。

 

恐れ多いと思う。でも、絵描きは頑固でどんなにまじめな保守派の自分が「もっと丁寧な仕上げをしなさい」と言っても聞かないのです。

 

この作についてはもう1枚の絵ができるほど決定的な修正方法もありました。(我慢するのがしんどいほどでしたが)加筆修正することで成功するかどうかわかりませんでした。描き直したいという真面目な自分を抑えて岡山梨花会に一度出してよくよく眺め、そしてソファーに一本、背景に一か所線を入れてやめました。(続きがあります)

上の画像は50号の部分です。つい最近まで一生懸命描きました。こちらは何度も修正を重ねました。構図も随分動きました。

制作は苦労しないと力が付かないと思っています。そして、この絵に力を注げたのはひとつ前の10号の絵があったからです。どちらも中途半端に終わってないところが自分では頑張ったと思います。

 

今回、この作品は一水会精鋭展に出品させていただきます。

 

この「読書」という画題を付けた絵は娘がモデルです。

展覧会の受付に娘が付いてきた時、初めて読書する姿をじっくり見ました。

今まで絵本しか見なかった娘がやけに成長して見えました。間違いなく母親として不思議な感動があって描きたい思いが50号を終わるまで続きました。もう一枚今も描いています。

 

発表の場を頂けていることに感謝しそれを生かしてしっかりした絵描きをしたいと思います。流されやすい性格ですが頑固な部分もあるんだなあと最近感じます。それでよいと言ってくれる人もあって動く今回のように両方を、あるいは3,4点同時に同じ絵の違う試みをしながらの制作をして、あとはどこに度の絵を発表するか考えてできるだけ絵描きの本人は自然体で進んでみたいと思っています。

 

一水会精鋭展は選ばれた一水会のメンバーが50号を持ち寄ります。開場は広くて作品も多く、審査がない分皆さん自分の描きたいものを描いて出せる発表の場です。本展では審査がありますから気持ちの上でも違い、楽でもあり、厳しくもあります。

銀座美術画廊・美術館で10日の午後から開場となり、その日は夕方オープニングもあります。会期は16日日曜日までです。また近くお知らせいたします。

 

先日もお知らせしましたが開催中の選抜展は3月4日(火)までです。最終日は午後4時までです。

最近、ブログを見てくださっている方々に東京の皆さんがとても多いことがわかりました。(都道府県別で訪問数がわかるんです。)

絵描き本人は緊張するので立派な会場になどにいたくないのですが3日の午後に会場に参ります。4日もお当番ではないけど時々会場におります。絵の中の娘にちょっとだけ似ている(コロッとした)中年です。ぜひお声掛けください。

 

 

 

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コメント: 2
  • #1

    crea (金曜日, 28 2月 2014 21:04)

    山本さま

    今日 選抜展を見させて頂きました。
    『読書』も見させて頂きました。
    この作品は、ホームページで制作の過程や取組む姿勢を
    書いておられましたので、また違った視点で見させて
    頂きました。
    確かに他の先生方の作品と並びますと、やはり違うなと
    思いました。
    意味合いは違うかも知れませんが、吉崎道治先生の絵も
    一水会展に出品する100号クラスの絵と、今回出品
    されている8号クラスの絵では、随分と絵が違うように
    思います。(全く素人の感想です。)

    寺井力三郎先生の『ティータイム』は、印象に残る
    絵でした。
    また、来月の精鋭展も楽しみに見させて頂きます。

  • #2

    山本佳子 (金曜日, 28 2月 2014 23:32)

    creaさま

    選抜展、お忙しいところありがとうございました。
    ご感想もいただき、とてもうれしくまた、creaさまのような方が見てくださっているかと思うと身の引き締まる思いがいたします。

    ブログではおしゃべりですが今まで申したことはなかったかもしれません。初めからではないのですが私の師は吉崎先生であり、教えていただくことは時々ほんの一言ですがそれがずっと新鮮でピタッときます。でもできそうでできない。近くてとても遠い師匠です。
    確かに、足元にも及びませんが吉崎先生は現場で一発勝負の書道のような作品と100号などの大作のためのとことん見極めて無駄のない絵具を重ねながら湿度や空気、大気の気温差まであらわされるような作品と全く違った技法を取られるようです。それは1方向からすれば全く理に適っています。
    寺井先生もとても尊敬する先生で絵描きに対してまっすぐな仕事をされます。今回、寺井先生の御作品が案内状の表紙になっていましたが、それだけでもはっとしました。間もなく本物を拝見できるので楽しみです。

    お二人とも絵に対しては誠に厳しく、そして私にとってやさしい神様のような父のような存在です。一水会にはそんな先生方がたくさんです。
    今日のようなコメントを頂いてやはり一水会に所属してよかったと思います。
    ありがとうございました。とても励みになりました。